「本当に食べてないのに、なんで私だけ痩せないの?」
「今より減らさなきゃいけないなら食べるものなくなっちゃう…」
そんなふうに感じたこと、ありませんか?
実はこれ、多くの方が陥るダイエットの“盲点”でもあります。
今日は、ダイエットコーチとして多くの相談を受けてきた僕が、
この「食べてないのに痩せない」問題の正体と、
その解決法についてお話ししていきます。
Contents
「食べてないのに痩せない」は、よくある悩み
ダイエット相談で、最もよく耳にする言葉のひとつが、
「私、そんなに食べてないんです」
これはウソでも誇張でもなく、その人にとっては“本当の実感”なんです。
でも、実際に詳しく食事内容を見ていくと…
• 朝:菓子パン1個
• 昼:おにぎり+サラダチキン
• 夜:おかずだけ(普通量)
• おやつ:仕事中についチョコを1〜2粒
これを見て「これくらいで太るの?」と思うかもしれません。
でも、ここにいくつかの「見えない落とし穴」が潜んでいるのです
見逃されがちな5つの原因
①「無意識に食べている」間食・つまみ食い
• 料理中に味見と称してちょこちょこ食べている
• 子どもが残したお菓子をなんとなく口にしている
• コンビニで買ったおやつをドラマを見ながら“少しだけ”つまんでいる
・喉が渇いたら甘い飲み物を飲んでいる
これらの行動は、記憶にすら残っていないことが多く、
自分では「食べてない」と認識してしまいます。
でも実際には、1回の味見やお菓子で50〜150kcalを無意識に摂っているケースも。
✅【対策】まずは3日間、すべての口に入れたもの(食べ物・飲み物)を
記録してみましょう。
アプリでも紙でもOK。気づかなかった「隠れカロリー」が見えてきます。
昨日の昼ごはんに何食べたか思い出せますか?
人間の記憶って思っているよりも曖昧なんですよね。
だからこそ記録することで、事実が見えてくる。
自分はいつ何をどのくらい食べているのか?何を飲んでいるのか?
1日にどのくらいのカロリーを摂取しているのか?
まず、この事実を知ることがダイエットの第一歩です。
②カロリーより「血糖値の乱高下」が原因
同じカロリーでも、血糖値が急上昇する食べ方は太りやすい体質をつくります。
• 空腹でいきなりパンやラーメンなどの糖質を大量に摂る
• 朝食を抜いて、昼にドカ食いする
• 糖質単独で食べ、タンパク質や脂質、食物繊維が極端に不足している
このような食べ方は、血糖値が乱れやすく、
▶インスリン(脂肪をため込むホルモン)の分泌が増える
▶空腹感がぶり返し、間食が増える
▶結果的に「太るサイクル」に突入してしまう
✅【対策】食べる順番を「野菜→タンパク質や脂質→糖質」にするだけで、血糖値の安定に繋がります。
わかりやすく例え話をしてみます。
私たちの体の中には血糖値をエネルギー源とする電車が走っています。
血糖値が上昇するとスピードが増すように設計されています。
制限速度が設けられており、上限を超えるとスピード違反になってしまいます。
食事のはじめに白米やパンなどの糖質から
摂取すると血糖値が急上昇して、
電車はどんどん加速していきます。
このままではスピード違反になってしまうので、
緊急ブレーキ(=インスリンの大量分泌)が作動します。
インスリンは血糖値を下げる役割がありますが、
同時に“余った糖“を脂肪として体に溜め込みやすく
してしまうんです。
最初に野菜(食物繊維)を食べると、血糖値は急上昇せず
電車はゆっくりとしたスピードでスタートします。
次にたんぱく質や脂質を食べることで、電車は急加速せず
安全運転で目的地に向かうことができるんですね。
③摂取カロリー < 消費カロリーになってない
ダイエットの基本は「アンダーカロリー」。
でも、基礎代謝が下がっていたり、運動習慣が少なかったりすると、
思った以上に「消費カロリーが少ない」ことも。
たとえば、基礎代謝が1200kcal、活動代謝を含めても
1600〜1700kcal程度の方が、
1日1800kcal食べていれば…それは「痩せない」のは当然なのです。
✅【対策】消費カロリーを正確に知ることは不可能。
摂取カロリーを2週間ほど固定して体重の変動から
消費カロリーを推定するのが◎。
摂取カロリーを減らすことは必要だが、健康を維持していく観点からは
消費カロリーを増やすことも必須です。
運動する、筋トレすることも大事ですが、まずは
日常動作を増やす、よく噛む、よく笑うなどを心がけたいですね。
④「食べなさすぎ」で代謝が落ちている
実は、過剰な食事制限も「痩せない体質」を作る原因になります。
体は飢餓状態になると「省エネモード」に入り、
▶エネルギー消費を抑える
▶筋肉を削ってエネルギーを確保する
▶脂肪をためこもうとする
という生きるための働きを始めます。
これを繰り返してしまうと、食べてないのに痩せない
「省エネ型太りやすい体」が出来上がってしまうのです。
✅【対策】「適度なカロリー」と「十分な栄養」を摂ることが、
結果的に痩せやすい体質を作ります。
実は全消費カロリーの約60%を占める基礎代謝を維持することに
最も大事なことは“しっかりと栄養を摂る“ことなんです。
つまり、食べずに痩せるダイエットは実は太りやすい体を
作る原因となってしまうんですね。
⑤メンタルやホルモンの乱れ
40代以降の女性にとって特に無視できないのが、
▶ストレス
▶睡眠不足
▶更年期などホルモンの変動
これらは、食欲をコントロールする「レプチン」「グレリン」や、
脂肪の代謝に関わる「コルチゾール」などのバランスを乱します。
• 寝不足の翌日は、甘い物が無性に食べたくなる
• ストレスが溜まると、ジャンクフードを欲する
• 更年期で体重が落ちにくくなった
すべて、体が危険を感じて「エネルギーを溜めこもう」と
しているサインなのです。
✅【対策】「よく寝る・リラックスする・自分を責めない」を習慣に。
体だけでなく、心の状態も痩せやすさに直結します。
もっと言えば、我慢や頑張りすぎるダイエットは、それ自体が
慢性的なストレスとなり痩せにくい体になってしまうこともあります。
体と心は密接に繋がっているってことですね。
無理に体だけを変えようとするのでなく、
心を整えて、体にアプローチしていく必要があるんですね。
◆ 結論:「食べてないのに痩せない」は、
正しく見えていないだけかもしれない
「食べてないのに痩せない」は、けっしてあなたが悪いわけではありません。
ただ、“自分の感覚”と“実際に食べているもの”が
一致していないだけなんです。
ここを正しく見つめることができた人から、
✔行動に迷いがなくなり
✔無理なく体重が落ち
✔体も心も軽くなっていきます
まず最初に取り組むなら?
✔ 3日間の食事記録(完璧じゃなくてOK)
✔ おやつや調味料も含めた「無意識の食べ物」を見直す
✔ 食べる順番を意識する
✔ 睡眠・ストレスの状態をチェックする
ここから始めれば、「痩せない理由」がだんだんと見えてきます。
大事なのは、無意識的に行っていた行動を“意識する“ということです。
無意識の行動は今まで培ってきた習慣だから、とても強力なんですね。
習慣を変えるためには、まずその“習慣に気づかなければ変えられない“。
習慣に気づくための記録であり、振り返りなんですね。
◆ ダイエットは“気合い”より“仕組み”
我慢と気合いで乗り切ろうとすると、反動が来ます。
でも、食べ方や生活の「仕組み」を変えると、自然と体が整い始めます。
「え?こんなに食べてるのに痩せてる!」
そんな未来、ちゃんと手に入れられますよ。
◆最後に…
今、あなたが苦しんでいるとしたら、
「努力が足りない」わけじゃなく、
「感じ方がすこしズレている」だけかもしれません。
僕もかつては、ダイエットがうまくいかずに悩んだ経験があります。
でも、体の変化よりも心の落ち着きを優先したことで、
ようやく身体の変化が安定しました。
体重は、あなたの努力を反映するものではありません。
整った心、整った思考があるからこそ、整った体になるのです。
体重に振り回されず、あなたのペースで、ダイエットしていきましょう!
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